衛星通信や先端技術の素材開発から電気機器の組込み用や検査機
(電子部品の検査機や半導体の製造装置)として広く用いられる直流高圧電源の回路と動作原理についてご紹介いたします。

〈回路動作〉
 図−1は弊社のLSシリーズのブロック・ダイアグラムです。
整流部、高周波スイッチング部(電力変換部)、制御部(CV/CC誤差検出部、パルス幅変調器、基準電源)高電圧昇圧部で構成されています。
入力されたAC電力はダイレクト整流され、高周波スイッチング部に供給されます。この直流電力は、制御部のパルス信号により、電力変換部でON/OFFされ、高圧トランスの1次側に印加されます。

トランスで昇圧された2次電圧は、更に高圧昇圧部で倍圧整流し、出力されます。この場合、出力電圧・電流の安定化は、制御部の誤差増幅器で基準電圧と出力を比較し、パルス幅変調器で高周波スイッチング部のON/OFF信号のパルス幅を増減することで行います。

 図−2は電力変換部(高周波スイッチング部)の具体的な構成です。
スイッチング素子は対ピーク電流を考慮し、バイポーラ・トランジスターを採用しています。
Q1(トランジスター)Q4及び、Q2、Q3を各々一対として、各トランジスターをON/OFFし、直流電力を20kHz程度の高周波交流電力に変換します。
高圧トランスの1次側の交流電圧は2次側で昇圧され、高電圧昇庄部
で出力電圧値まで倍庄整流されます。

回路図1 回路図2

 図−3はフルウェーブの高電圧倍圧回路です。この回路は考案者の名をとりコッククロフト・ウォルトン回路と呼ばれています。
各段はトランスの2次電圧に昇圧され、保持電圧は、更にn段まで昇圧
されます。最端出力電圧は分圧抵抗器で制御部にフィードバックされ、安定化されます。

      回路図3

 LSシリーズは高信頼性・高品質をデザイン・コンセプトに開発された高精度直流高圧安定化電源です。電力変換部はPWMスイッチング方式を採用し、フルブリッジ回路により20kHz〜35kHzの高周波数でスイッチングを行い、高効率、小型・軽量化を実現しました。
また、制御系は定電圧・完電流出力が各々独立して制御ループを有していることでダイナミックな負荷変動に対し、高い安定度を保ち、同時に負荷のショート、アークに対しても万全の保護がなされています。

 LSシリーズはシステム化、自動化に対応して、出力電圧・電流のリモート・プログラム、リモート・モニター、リモートON/OFFなどの機能を装備しております。





直流高圧電源と負荷の接続を容易に行うため、
弊社では、各種高電圧コネクターを取り揃えております。
H-BNC型は、高周波数同軸ケーブルと組み合わせ
5kVDCまで使用可能です。
プラグイン式高電圧プラグ・ソケット15kVDC型、
40kVDC型などを揃えております。
絶縁アンプ、高電圧リレー、高絶縁耐圧シリコン等、
各種絶縁材料についても、お問い合わせください。






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